不動産鑑定士とは、不動産における価値鑑定を適正に下し
融資の担保や課税対象及び売買取引に関わる業務に従事する
ものをいい、また不動産関連の最高峰に位置する国土交通省
管轄の国家試験です。
当該試験に際して受験資格等は必要なく、この狭き門を突破
すると安定した仕事と高い収入が期待できることもあり非常に
注目度の高い資格でもあります。
土地や建築物の売買に関してや店舗やマンションなどの賃貸物件
に関しての鑑定評価や、担保としての鑑定評価などの業務以外にも
個人や企業への不動産の活用及び開発の策定についてのコンサルティング
や国・都道府県における地価公示・地価調査など活躍の場は非常に
幅広い。
難易度及び合格率等の考察
不動産鑑定士試験の国家資格としての難易度は、不動産関連
資格としても最高峰に位置していることもあり「超難関」と
カテゴライズされておりますが、その合格率に関しては個別に
みると超難関資格としては意外に高く短答式試験は25%前後で
あり、論文式試験は9%前後となっておりますが、トータルでの
合格率としては数パーセントと劇的に低くなる。
これは以前と比べると受験資格がなくなったことや不動産鑑定
士補制度の撤廃によって受験の敷居が低くなったことや、また
短答式の合格が2年間持ち越しできることなどに依存している
ことかと思いますが、試験の難易度のレベルとしては以前とし
て超難関であることに違いはありません。
試験や受験に関する情報量は非常に豊富であり、参考書・問題
集や資格スクールなど幅広く存在し、自分の環境に合った受験
対策スタイルを取ることができ、難易度は高いですが独学に
よっての合格も不可能ではありません。
(※もちろん大変な努力が必要です)
不動産鑑定士試験の各種情報
合格率 |
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難易度 | 超難関 |
試験科目 | 短答式
論文式
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試験方法 | 短答式試験及び論文式試験 |
試験実施機関 | 社団法人日本不動産鑑定協会 |
受験手数料 | 13000円(電子申請の場合12800円) |
試験日 |
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合格発表日 |
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合格後 | 国土交通大臣の登録を受けた実務修習機関において「実務修習」を受け、単元(単位)を修得した後国道交通省に備える不動産鑑定士名簿に登録しなければなりません。 |
その他の情報
不動産の鑑定評価に関する法律において、不動産鑑定士の
業務について第二章 第一節に下記のように記されています。
(不動産鑑定士の業務)
- 第3条 不動産鑑定士は、不動産の鑑定評価を行う。
- 2 不動産鑑定士は、不動産鑑定士の名称を用いて、不動産の客観的価値に作用する諸要因に関して調査若しくは分析を行い、又は不動産の利用、取引若しくは投資に関する相談に応じることを業とすることができる。ただし、他の法律においてその業務を行うことが制限されている事項については、この限りでない。
合格率について追加説明
合格率の「トータル」について追記いたします。
不動産鑑定士の合格率について「短答式試験:25%前後」
「論文式試験:9%前後」「トータル:2~3%」と記しましたが
このトータルの合格率とは、例えば計算を解りやすくするため
不動産鑑定士試験の受験者数が100人であったとします。
短答式試験の合格率は25%程度ですので、その割合で計算
すると、100人中の約25人が短答式試験に合格していることに
なります。
短答式試験の合格者のみが論文試験に臨むことができます
から短答式試験の合格者25人が論文試験を受験したとして
その論文式試験の合格率は約9%前後ですから、25人中の2名
が合格する。
つまり全体を通してみると100人受験したとして、約2人の
合格者しかいませんので「トータルの合格率は2%前後」と
なります。